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板橋区が行う学校統廃合

 昭和22年に現行の学制が発足してから現在までに、10校の板橋区立学校が閉校した。
 閉校した板橋区立学校10校の「“早急な対応を要する規模”の期間」、「10人未満の児童生徒が出現した年度」、「閉校年」、「統合校」、「通学区域の変更」、「学校統廃合の形態」は下表のとおりである。(ページ「板橋区・板橋区教育委員会の対応」2、4)
 (以下、学校名は板橋区立を略して表記する。)

閉校した学校 “早急な対応を要する規模”
の期間
10人未満の児童生徒の
学年が出現した年度
 閉校年 統合校 
1 板橋第三小学校 平成9年 ~ 平成13年(5年間) 平成11年、平成12年、平成13年 平成14年  加賀小学校 
2 稲荷台小学校 ー ー 平成14年 加賀小学校 
3 高島第四小学校 平成11年 ~ 平成13年(3年間) 平成13年 平成14年  高島第六小学校(新)
高島第一小学校 
4 高島第六小学校(旧)  ー  ー  平成14年  高島第六小学校(新) 
5 若葉小学校 平成13年 ~ 平成16年(4年間) 平成16年 平成17年  若木小学校
志村第五小学校 
6 板橋第四中学校 平成13年 ~ 平成17年(5年間) 平成16年、平成17年 平成18年 板橋第三中学校
志村第一中学校 
7 高島第七小学校 平成16年 ~ 平成18年(3年間) 平成18年 平成19年  高島第二小学校 
8 大山小学校 平成21年 ~ 平成25年(5年間) 平成23年、平成24年、平成25年 平成26年  板橋第六小学校
板橋第十小学校 
9 板橋第九小学校 平成22年 ~ 平成29年(8年間) 平成25年、平成26年、平成27年、
平成28年、平成29年
平成30年  板橋第一小学校
板橋第八小学校
中根橋小学校
弥生小学校 
10 向原中学校 平成23年 ~ 平成29年(7年間) 平成25年、平成26年、平成29年 平成30年  上板橋第二中学校 
 ※ “早急な対応を要する規模”は、小規模校の下限“6学級以下で児童生徒数150人以下”である。(平成13年答申、11頁)

  閉校した学校 通学区域の変更 学校統廃合の形態
1 板橋第三小学校   板橋第三小学校の通学区域を、新設した加賀小学校の通学区域に編入した。   廃止・設置方式 
2 稲荷台小学校 稲荷台小学校の通学区域を、新設した加賀小学校の通学区域に編入した。
3 高島第四小学校  高島第四小学校の通学区域を2つに分割して、それぞれを高島第六小学校(新)、
高島第一小学校の通学区域に編入した。 
4 高島第六小学校(旧) 高島第六小学校(旧)の通学区域を、高島第六小学校(新)の通学区域に編入した。 
5 若葉小学校  若葉小学校の通学区域を2つに分割して、それぞれを若木小学校、志村第五
小学校の通学区域に編入した。 
  廃止・吸収方式 
6 板橋第四中学校  板橋第四中学校の通学区域を2つに分割して、それぞれを板橋第三中学校、
志村第一中学校の通学区域に編入した。 
7 高島第七小学校 高島第七小学校の通学区域を、高島第二小学校の通学区域に編入した。
8 大山小学校 大山小学校の通学区域を2つに分割して、それぞれを板橋第六小学校、板橋
第十小学校の通学区域に編入した。 
9 板橋第九小学校 板橋第九小学校の通学区域を4つに分割して、それぞれを板橋第一小学校、
板橋第八小学校、中根橋小学校、弥生小学校の通学区域に編入した。 
10 向原中学校  向原中学校の通学区域を、上板橋第二中学校の通学区域に編入した。 
 ※ 廃止・設置方式は、複数の学校を廃止し新たな学校を設置する。(平成13年答申、13頁)
 ※ 廃止・吸収方式は、1校だけを廃止し既存の学校に児童・生徒を編入する。(平成13年答申、13頁)        

 平成13年答申は、学校統廃合の形態として、教職員の配置や児童生徒の統合後の交流を理由として、「廃止・設置方式」が望ましいとした。
 私は、長期的に学校規模を安定させるためには、通学区域の抜本的再編、「廃止・設置方式」による学校の統合が必要であると考える。
〔ページ「審議会答申」、1平成13年答申、13頁ないし14頁〕
  7 学校の適正配置の具体的方策
  (1)適正配置の具体的な方法
   適正配置を実施する場合の具体的な方法として、「通学区域の変更」と「学校の統
  合」が考えられる。
   検討の手順としては、まず隣接校との通学区域の変更について検討を行い、通学区
  域の変更だけでは安定的に適正規模が確保されない場合には、次に学校の統合につ
  いて検討を行っていくものとする。その際には、児童・生徒への影響をできるかぎり少な
  くすること、学校の適正規模を安定的に確保することを考慮に入れて検討すべきであ
  る。
   ①通学区域の変更
     通学区域の変更の検討にあたっては以下の点に留意する必要がある。
   ・通学距離が極端に遠距離にならないよう配慮し、通学距離は、小学校1km、中
    学校1.5km程度以内となるようにする。
   ・踏切や危険箇所の横断等について十分配慮し、通学路の安全確保に努める。
   ・学校と地域社会等との関わりに配慮し、通学区域と地域社会、行政区域、歴史
    的背景や小中学校の学区域の整合性を図るように努める。
     さらに、通学区域の変更の検討にあたっては、就学指定校の変更について、児
    童・生徒の具体的な事情に即した弾力的な対応を行っている実態を考慮する。
   ②学校の統合
     学校を統合する場合の具体的な方法は、複数の学校を廃止し新たな学校を設置
    する「廃止・設置方式」と、1校だけを廃止し既存の学校に児童・生徒を編入する「廃
    止・吸収方式」が考えられる。統合の方式については、当事者の意見を聴取しながら
    合意形成を図る必要があるが、本審議会では教職員の配置や児童・生徒の統合後
    の交流等を考慮すると、「廃止・設置方式」が望ましいと考える。
     また、学校の統合を実施する場合にも通学区域の変更を伴うが、その際には前項と
    同様の配慮が必要である。
   ③その他配慮すべき事項
     適正配置を実施する場合には、当該校の保護者や地域住民に適正配置実施の
    主旨、実施方法等について十分に説明するとともに、保護者や地域住民の参加する
13頁
    協議会等の組織を設置し、関係者の意見を聞きながら進めていく必要がある。
     また、児童・生徒同士が早く打ち解けることができるように、円滑な移行を図り、事
    前交流活動等を実施していくことが望まれる。
     さらに、当該校に心身障害諸学級が設置されている場合には、現に通学している
    児童・生徒への配慮はもちろんのこと、区全体としてバランスのとれた心身障害諸学
    級の配置についても検討すべきである。
14頁

 板橋区は学校規模の決定を、保護者の学校選択権行使による市場原理に委ねている。(ページ「教育行政施策」)
 板橋区は、小規模校の下限“6学級以下で児童生徒数150人以下”の状態が数年間続き、10人未満の児童生徒の学年が出現したとき同校を閉校する。(ページ「板橋区・板橋区教育委員会の対応」1、5)
 板橋区は、閉校となった学校の通学区域を統合校に編入した。通学区域の編入状況は下記のとおりである。
・板橋第三小学校、稲荷台小学校、高島第六小学校(旧)、高島第七小学校、向原中学校 ⇒ 全ての通学区域を1つの統合校に編入した
・高島第四小学校、若葉小学校、板橋第四中学校、大山小学校 ⇒ 通学区域を2つに分割して、それぞれを統合校に編入した
・板橋第九小学校 ⇒ 通学区域を4つに分割して、それぞれを統合校に編入した
 板橋区の教育行政施策により、小規模校は淘汰され、通学区域は改編につぐ改編を繰り返す。(ページ「板橋区・板橋区教育委員会の対応」3)

 板橋区が行う学校統廃合は、保護者の学校選択権行使による市場原理により過小規模化した学校を閉校し、その通学区域を近隣の学校に編入することである。学校規模を長期的に安定させる構想の下に、通学区域の抜本的再編、「廃止・設置方式」による学校の統合を行うものではない。

 板橋区は平成13年答申に従い、板橋第三小学校と稲荷台小学校を統合して加賀小学校を新設し、高島第四小学校と高島第六小学校(旧)を統合して高島第六小学校(新)とした。板橋区は、板橋第三小学校・稲荷台小学校、高島第四小学校・高島第六小学校(旧)に対して「廃止・設置方式」による学校統廃合を実施した。
 しかし、板橋区は、平成15年以降に閉校した6校に対して「廃止・設置方式」を実施していない。
 板橋区が学校規模を長期的に安定させる構想の下に、通学区域の抜本的再編、「廃止・設置方式」による学校の統合を実施できない理由は下記のとおりである。
・板橋区及び板橋区教育委員会は保護者・地域住民にへつらい、迎合しているので、通学区域の抜本的再編を実施できない。
・板橋区及び板橋区教育委員会は保護者・地域住民の閉校反対をおそれ、これらの者にへつらい、迎合しているので、小規模校では
 ない学校を廃止する「廃止・設置方式」による学校の統合を実施できない。
・板橋区及び板橋区教育委員会は、学校規模に由来する学校の教育環境を改善する意識がない。
・板橋区及び板橋区教育委員会は、学校規模を長期的に安定させる構想の下に教育行政施策(通学区域の変更、学校の統合)を立案
 して実施する能力がない。
・板橋区及び板橋区教育委員会の教育行政に対する姿勢は無責任である。
 (ページ「意識欠如、能力欠如、信用失墜、保護者・地域住民への迎合、無責任、市場原理」)


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